ガーナでレントゲン(2)
レントゲン撮影の流れ
今から20年以上前、2000年に青年海外年協力隊としてガーナに派遣された時の話です。
私は、ガーナのウエスタン州、セフィ・アサフォという町のカトリック系の病院でレントゲン撮影とエコー検査の技術を、現地の職員(カウンターパート)に指導する名目で派遣されました。
今回は、ガーナでのレントゲン撮影の流れをお話ししたいと思います。
患者は診察にてレントゲンが必要だと判断されたら、ドクターからリクエストフォームを書いてもらいます、日本でいうレントゲン撮影伝票みたいな感じです。患者はこの紙をもってレントゲン室に来ます。
PAIDの判がありますが、お金を払ったら押してもらいます、判がないリクエストフォームを患者が持ってきたら、お金を請求します、お金を持ってない場合は撮影しません。(可哀そうですが)
右上の鉛筆にて書いてある8000が値段です、当時の8000セディは2USドルぐらいだったと思います。
なぜか、増感紙のサイズとカセッテのサイズが違ってました。
ここにカセッテを入れます。
照射野ランプはありません、ランプが切れても補充出来ないのがわかっていたから、この機械にしたのかもしれません。賢明な判断だと思いました。
当然、絞りもないので、円盤をまわしてカセッテサイズに合わせます。
暗室です。撮影後現像します。
左にアグファの自動現像機が見えますが、故障していて、修理も技術者がいなくて出来ないとの事で、正面のタンクにてバット現像していました。
左から、現像液、水、定着液、水の順でフィルムを漬けていきます。
現像液に浸しながら、フィルムの黒化度を確認します、エックス線条件が多い写真は黒化が早いが、少ない条件でも、現像時間を増やせばそれなりの黒化度があるので(コントラストは悪いが)、再撮影することはほとんどありませんでした。
乾燥は、乾燥器など無いので雨が当たらない軒下か、室内にて乾燥します。
撮影した写真は、病院の所有物ではなく、患者の所有物となるので、袋に入れて患者に渡します。
以上が一連の流れです。
日本に比べてのんびりと仕事をしていた印象です、仕事中にもかかわらず、職員は病院前の売店で買い物したり、外をうろうろしたりしてました。
私とカウンターパートで留守にしていても、患者は文句も言わず、レントゲン室の前で待っていました。
仕事も7:00ぐらいに全職員のミーテイング?お祈り?ではじまり、15:00ぐらいには終わってました、撮影数も1日10件程度だったので、空いた時間は英語の勉強をしたり、小説を読んだり、ぼーっとしてました、今考えると幸せな時間だったと思います。