原子炉時限爆弾を読んで
「原子炉時限爆弾」広瀬隆著
出版は2010年8月26日です、出版から半年余りたってから東日本大震災があり、福島第一原発の事故があった事を考ええると、何とも予言めいた本だと思います。
まず著者は、①原発の大事故は起こりえる。 ②大事故が起これば日本はほぼ壊滅する。 ③その可能性が最も高く、こわい原因として大地震が考えられる。 と予想します。
細かい話は読んでもらえれば分かりますが、まさか半年後に起こるとは思ってなかったかもしれません。上の3つの予想の①と③は現実となりました、②の予想も実は当たっておりじわじわと何年後かには日本は壊滅するのかもしれないと、昨今の消費税増税や倫理観の欠如した事件の数々をみると、現在日本の環境・経済・精神面を見てそう感じずにはいられませんでした。
ひとつ、知らなかった事実が書いてあました、ステーション・ブラックアウトの恐怖の項です。
2010年6月17日 福島第一原子力発電所二号機で電源喪失事故が起こりあわやメルトダウンに突入かという事故が発生したのだ。
中略
そもそもは、外部から発電所に送る電気系統が4つとも切れてしまったことが原因であった。
勿論、発電機も原子炉も緊急停止したが原子炉内部の沸騰が激しく続いて、内部の水がみるみる減っていきぎりぎりで炉心熔融をまぬがれたのだ。恐ろしいことに、この発端となった完全電源喪失の原因さえ特定できないのである。
この4日前の2010年6月13日に福島県沖を震源としたかなり強い地震が原発一帯を襲っていたが、それが遠因なのか?いずれにしろ、事故当日には地震が起こっていないのに、このような重大事故が起こったのだから大地震がくればどうなるか。
大震災ごの原発事故の半年前に、まったく同じような事故が起こっていたという事実、事故は想定外だったと東電も言っていたし、政府も言っていたはずですが、半年前に同じ事故があったのならば想定外のはずはないと思います。ほとんどの国民はこの事実を知らないはずです。福島のいまだ避難住宅にいる人たちはこの事実を知ったらどう感じるか、考えてしまいます。